2024-06-30 鮎 短歌・詩 ふるさとの日向の山の荒渓の流清うして鮎多く棲みきおもほへば父も鮎をばよく釣りきわれも釣りにきその下つ瀬に鮎つりの父が憩ふは長き瀬のなかばの岸の榎の蔭なりきわれいまだ十歳ならざりき山渓のたぎつ瀬に立ち鮎は釣りにき幼き日釣りにし鮎のうつり香をいまてのひらに思ひ出でつも釣り暮し帰れば母に叱られき叱れる母に渡しき鮎を鮎焼きて母はおはしきゆめみての後もうしろでありありと見ゆ (若山牧水)